| 「浦島太郎の伝説をご存じでしょう。浦島が乗っていた亀は、実はこのアダムスキー型円盤ではなかったか、と推理する人もいますよ」 「なるほど、亀によく似ていますね。昔の人が、亀にたとえたとしても不思議ではないですね。で、浦島太郎はどこへ行ったんでしょうか」 「海底基地……宇宙人の」 新沢はにこにこ笑いつづけながら言った。「と、言う人もいます」 (荒巻義雄「空白の十字架」)
ああ、快感。こういう小技がピシッと決まる小説がいちばんね。
毎日読む本が途切れた時など、好んで荒巻義雄を読むようにしています。(ブックオフから仕入れたストックがいっぱいある) 北海道地名がばんばん出てくるのも好み。
夏に、かねてよりの課題図書「神聖代」をついに読破しましたからね。(一瞬、バチガルピ…) そこからは、すこぶる快進撃です。
|