| TOP | HOME | ページ一覧 |


No.395 への▼返信フォームです。


▼ ユニット1   引用
  あらや   ..2017/05/12(金) 09:29  No.395
  クリックで拡大表示 ( .jpg / 69.7KB )

 真鍋は、波多野工務店を出た後、五号線を東に走った。
 ニセコの別莊地を目指すなら、札幌の手稲区からであれば、五号線を西に向かい、小樽、余市を抜けて行くのが、たぶんふつうの道の取りかただったろう。しかし、小樽の市街地はいつも渋滞しており、いくらか遠回りになる。それよりは、札幌の市街地の西端を南下して、中山峠を通ったほうが、たぶんいくらか時間は短縮できる。真鍋はそう判断したのだった。
 札幌市街地もはずれにかかり、国道二三〇号線に入ったときだ。晴也が後部席から訊いてきた。
「また、プールに行くの?」
 宮永祐子が答えた。
「ううん。こんどは、お山に行くのよ。もっと遠く」
(佐々木譲「ユニット」)

先週遊びに行った定山渓温泉じゃなくて、今度のはその先のニセコってところだよ…というニュアンスをこう表現する。追われる側は中山峠を選んだ。では、追う側は?

 
▼ ユニット2   引用
  あらや   ..2017/05/12(金) 09:38  No.396
   ライトバンは、右手に石狩湾を見ながら,国道五号線を西に走り続けている。
 ふつうならば、札幌の西からニセコ方面に向かう車は、銭函インターチェンジあたりで自動車専用道の札樽自動車道に乗る。しかし、運転をしているのは、手錠をかけられた川尻乃武夫だ。チケットを受け取るときや料金を支払うとき、係員に手錠を目撃される。しかも手錠はステアリングにつながっているのだ。奇妙すぎる。すぐに警察に通報がゆくことになるだろう。だから自動車道を通るわけにはゆかなかった。多少時間はかかるが、国道五号線を走るしかなかったのだ。
 川尻乃武夫はずっと無言だ。
(同書)

稲穂峠を通って倶知安・ニセコ方面へ。手稲からだと、本当にルートはどっちもありなんだけど(これが隣の小樽だったら迷わず稲穂)、2ルートを使い分けることによって、追う側と追われる側の状況・心理描写をやってしまう…という、佐々木譲ならでは高等テクニックではありました。

今日は、その手稲へ。人間像ライブラリー、本番スタートです。



No.395 への引用返信フォームです。

Name 
Mail   URL 
Font
Title  
File  
Cookie  Preview      DelKey