| 「人間像」第24号の『或る過程』には驚いた。なんと「学校もの」。この手の作品は針山和美氏の独壇場かと思っていたもので。葛西庸三氏は『腐敗せる快感』以降の爆弾作品の人かと思っていたもので。いや、驚いた。 『或る過程』を読んで、「京極文芸」に『校長群像』という不思議な作品があったことを思い出した。
ところが、K校長の大声は、全く予期しなかった内容のものであった。 「貴様らの仕事の仕方は何だ。後かたづけもしていないんじゃないか。 こんなことで、教員がつとまるか。この馬鹿野郎。 今、教育事務局(当時、教育局をこう呼んでいた。)の某課長がいらっしゃっているから、貴様らの仕事振りを全部報告するぞ。 あんな、きたない石炭の後仕末を、某課長が見たら、一体どうなると思うんだ。」 というのである。 (葛西庸三「校長群像」)
いくら戦後間もないとは云え、校長が「貴様ら」「この馬鹿野郎」? 『校長群像』には四人の校長が登場しますが、この「K校長」、際立ってますね。
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