| ナタリーは『嵐が丘』を愛読している。ブロンテ一家のこともよく知っていた。百五十年前、イングランドのどことも知れぬ田舎の牧師館に住んでいた四人の天才たち。どれほどさみしい日々を送ったことだろう? ナタリーがくれた伝記を読んで、気がついた。自分は孤独だと思っていたが、このきょうだいにくらべたら、ぼくの生活なんて賑やかな社交パーティの連続だ。それでも、ブロンテきょうだいはおたがいの存在に支えられていた。 (アーシュラ・K・ル=グィン「どこからも彼方にある国」)
図書館に荒巻義雄を借りに行ったら、児童書架に見つけたので。
へえ、ル・グウィンも『嵐が丘』なのか…(小さな共感) あれはサルトルの『嘔吐』だったろうか、旅のホテルの部屋に入ったボーヴォワールがまず一番に行うこと、それは、エミリ・ブロンテの肖像画を壁に掛けること…っていう場面が妙にこの歳まで印象に残っているんだけど。それに似たような共感ですね。
1976年のアメリカ(西海岸?)のヤングアダルト小説が、なぜ2011年のあかね書房(おお!懐かしい。まだ健在なのね…)から出版されるのかよくわからないが、小樽の図書館にあったのはラッキーでした。
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