| 朝から夕飯までライブラリーのデジタル化作業を行い、夜や早朝(←年寄りなのか、朝が早い…)の布団の中で本を読む生活。もうかなり安定化してきたように思います。そのベースには、去年、集中的に読んだ『吉村昭自選作品集』(新潮社,1990−1992)があって、その時々で話題の本や関心のある作家の本へ遠征することもあるけれど、疲れたら、ホームの〈吉村昭〉にいつしか戻って来て身体のチューニングをやっているような気がします。
『遠い幻影』もそんな一冊。遺稿となった『死顔』の、骨と皮ばかりの無惨な〈吉村昭〉の文体を目撃した身には、熟年期の力に溢れた作品群は殊更に大切なものに感じます。大事に、大事に読みたい。1992年以降の吉村作品がまだ数多く残っていることは私の人生の励みです。「人間像」の仕事を手掛けているお蔭で、〈同人雑誌出身の吉村昭〉という視点を持つことができたことも私の幸運でした。
以下、恒例の〈北海道〉部分。
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