| 本日、第81号巻頭作品、平木国夫『ひとり飛ぶ』をライブラリーにアップしました。以降、佐々木徳次『いちじくの木』、土肥純光『深夜の季節』、内田保夫『勝負は永劫』、瀬田栄之助『問屋場にて』と作業を進めて行く予定です。 第81号は120ページの厚さなので、作業は比較的早く済むような気もするし、今月からは歯の治療が始まったので予想外に手間取るような気もするし、微妙なところ。
ようやく社内の意見が統一され、空輸の準備がはじまった。ところがである。アメリカ大使館にある海軍武官室に提出しておいた硫黄島とミッドウェイ島の着陸許可申請が却下されたのだ。ベトナム戦争の影響でお気の毒だが絶対に許可出来ない旨、本国から入電しましたのでね、と愛想笑いをしながらも背広姿の海車武官がキッパリと言い切った。 (平木国夫「ひとり飛ぶ」)
そうか、もうベトナム戦争なのか…という感想です。瀬田栄之助さんの四日市ぜんそくとかピカレスクとか、1960年代ぽい雰囲気の中にまだいると思っていたから一瞬虚を衝かれた感じです。1969年、私は17歳。ベトナム戦争ならばもう完全に私の同時代に入って来ていたんですね。
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