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No.791 への▼返信フォームです。


▼ 「人間像」第81号 前半   引用
  あらや   ..2020/12/10(木) 09:31  No.791
  本日、第81号巻頭作品、平木国夫『ひとり飛ぶ』をライブラリーにアップしました。以降、佐々木徳次『いちじくの木』、土肥純光『深夜の季節』、内田保夫『勝負は永劫』、瀬田栄之助『問屋場にて』と作業を進めて行く予定です。
第81号は120ページの厚さなので、作業は比較的早く済むような気もするし、今月からは歯の治療が始まったので予想外に手間取るような気もするし、微妙なところ。

 ようやく社内の意見が統一され、空輸の準備がはじまった。ところがである。アメリカ大使館にある海軍武官室に提出しておいた硫黄島とミッドウェイ島の着陸許可申請が却下されたのだ。ベトナム戦争の影響でお気の毒だが絶対に許可出来ない旨、本国から入電しましたのでね、と愛想笑いをしながらも背広姿の海車武官がキッパリと言い切った。
(平木国夫「ひとり飛ぶ」)

そうか、もうベトナム戦争なのか…という感想です。瀬田栄之助さんの四日市ぜんそくとかピカレスクとか、1960年代ぽい雰囲気の中にまだいると思っていたから一瞬虚を衝かれた感じです。1969年、私は17歳。ベトナム戦争ならばもう完全に私の同時代に入って来ていたんですね。

 
▼ 問屋場にて   引用
  あらや   ..2020/12/18(金) 06:25  No.792
  昨日、瀬田栄之助『問屋場にて』をアップしました。これで、残るは、白鳥昇朗『科学文学論』、上沢祥昭『詩は世につれ』、瀬田栄之助『贋ガン日記』の三本のみ。

それはさておき、せっかく、志摩まできたおまえさんじゃ……そんな間尺に合わぬ仕事はあっさりあきらめて、この先の風光明媚な波切と大王崎にでも行き、海風で頭を冷やして来られるがよい……
(瀬田栄之助「問屋場にて」)

波切(なきり)と大王崎は、「人間像」第77号の『太陽にさからうもの』でも舞台となった地ですね。風光明媚なところなのかな? 作業の合間にちらちらインターネットで波切の海を見ていました。

東京の感染者、新たに822人 2日連続で過去最多
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf23ec440fb70428d46a0009279eeee33232ccf3

 
▼ 「人間像」第81号 後半   引用
  あらや   ..2020/12/21(月) 13:43  No.793
  本日、「人間像」第81号をライブラリーにアップしました。作業にかかった時間は、またも記録更新の「64時間/延べ日数13日間」でした。収録タイトル数は「1490作品」になりました。
冬場でなければ、日数も短縮できるのに…とは思うが、まあそんなことをいちいち言ってもしょうがないか。さあ、雪かきだ。今日の夕方抜歯するのでどきどきしています。その後の経過を見てみないと何とも言えないが、ダメージが少なければためらわず第82号作業に入る予定でいます。
第82号には針山和美『誤算』の名も見えますね。氏には珍しい単行本未収録作品か。

 六月二十二日 土 晴
 赤猫社発行の『自立芸術』中の「アルベルト・ジャコメッティ」(石井守)を病院の待合室で読む。
 医者、はっきりと胃ガンの疑いありという。ガン・センターとの連絡電話の結果を聞いて帰宅。うろたえてはならぬと自戒しつつもうろたえる。家人には何も話さないことにする。
(瀬田栄之助「贋ガン日記」)

2020年暮れの私たちはこの癌が決して〈贋〉ではなかったことを知っていますから、なにかしらこの先物語を読むのがつらい。『問屋場にて』のような美しい作品を書く人に、どうして天はこんな苦しみを与えるのか。



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