| 単行本『愛と逃亡』の復刻作業、順調に進んでいます。昨日、『愛と逃亡』を終了し、今日から残りの二篇『支笏湖』『女囚の記』に入ったところです。アップまであと数日か。今回は三篇まとめてのアップになります。
『愛と逃亡』、よかった! 針山氏の最高傑作ではないか。(というのはちょっと言い過ぎか… 今、読み終えたばかりだから『愛と逃亡』が最高傑作に感じるだけの話かもしれませんが。『百姓二代』を読んだ直後なら、こりゃあ最高傑作だと感じる人ですからね、私は) ただ、そう思ったのには理由があります。
単行本『愛と逃亡』が人間像同人会から発行されたのは1989年(平成元年)11月です。しかし、同人雑誌「人間像」に『愛と逃亡』が発表されたのは1965年(昭和40年)11月なんですね。ちなみに、『支笏湖』は1967年(昭和42年)、『女囚の記』は1969年(昭和44年)。どういう理由があったのかよくわからないのだけど、じつに二十年以上の時間をかけて熟成された作品群なので、その構造に何の揺るぎもない、針山和美にしか書けない小宇宙になっていると感じるのです。単行本『愛と逃亡』を人間像ライブラリーにアップできることを誇りに思う。
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