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▼ 最後まで同人誌に誇り   引用
  あらや   ..2021/07/08(木) 11:26  No.843
  小田島本有氏が道新「道内文学 創作・評論」で福島氏について書いています。

 最後まで同人誌に誇り 福島昭午
 北広島在住で同人誌「人間像」の編集・発行を担当していた福島昭午が4月23日に逝去した。昨年8月に発行された「人間像」190号の編集後記で、福島は、「小誌一八〇号あたりから、終刊を一九〇号、つまり私が九十爺(クソジイ)になるまでと内外に告げていたが、ついに、九十歳になり当時の目標に達した。しかし、前号で『まだ、いけるぞ』という気が起き、終刊は取り消しにした。但し、生き物の一寸先は闇だから、ある日コロリと逝くかも知れない。〈ピンピンコロリ〉は理想的な逝きかたである。だから、そうなったときが、小誌の終刊である。それまで頑張る」と書いていた。この号では、福島自身の過去をモデルにした「小説・春山文雄と――『人間像』裏面史物語――旧制中学時代」も掲載されており、その続きも予告されていた。
 また、「埋め草コラム」では、道新文化部が従来月評であった同人誌評を隔月評にした点について地方雑誌の軽視と糾弾している。私は軽視とは思わないが、取り上げる雑誌の数に制約が生まれたのは確かである。最後まで同人誌に対する誇りと意欲を抱き続けた人生であった。享年90歳。心より哀悼の意を表したい。
(北海道新聞 2021年7月7日夕刊)

 
▼ 近現代アイヌ文学史稿   引用
  あらや   ..2021/07/08(木) 11:30  No.844
  他にも、同記事には興味深いトピックが。

 函館の「文芸誌 視線」は今回で11号となる。水関清「『生活』の発見者・啄木」が読みごたえあり。著者は医師だが、精神医学における森田正馬の神経質理論を援用し、啄木の一連の行動を跡付けている。「気分本位」から「目的本位」に啄木の行動が東京で変化する過程を説明している部分は説得力がある。漱石研究ではかなり以前から精神分析の知見が生かされた研究があった。啄木研究の場合は寡聞にして知らないが、これは啄木を理解するうえで大きな役割を果たすだろう。

 須田茂「近現代アイヌ文学史稿」(「コブタン」48号)は今回が13回目。著者は東京の出身だが、この地道な作業には頭が下がる。つい最近もある芸人がテレビでアイヌを揶揄する発言をし、当人ばかりでなく放送局が責任を問われた。無知であることの恐ろしさを今更ながら痛感する。

もし「人間像」の仕事が190号まで完了して(何時になるんだろう?)、その時まだ生きていたら、「コブタン」やってみたいな…と想うことがある。『近現代アイヌ文学史稿』は雑誌発表形の方が断然言葉が生きている。



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