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No.314 への▼返信フォームです。


▼ 永遠の〇   引用
  あらや   ..2014/06/02(月) 16:23  No.314
  「出世だって――戦争しながら?」
「穿ちすぎかもしれないけど、そうとしか思えないフシがありすぎるのよ。個々の戦いを調べていくと、どうやって敵を撃ち破るかではなくて、いかにして大きなミスをしないようにというのを第一に考えて戦っている気がしてならないの。たとえば井崎さんが言ってたように、海軍の長官の勲章の査定は軍艦を沈めることが一番のポイントだから、艦艇修理用のドックを破壊しても、石油タンクを破壊しても、輸送船を沈めても、そんなのは大して査定ポイントが上がらないのよ。だからいつも後回しにされる――」
「でも、だからって、出世を考えていると言うことはないんじゃないかな」
「たしかに穿ちすぎた考えかも知れない。でも十代半ばに海軍兵学校に入り、ものすごい競争を勝ち抜いてきた海大出のエリートたちは、狭い海軍の世界の競争の中で生きてきて、体の中に出世のことが染みついていたと考えるのは不自然かな。特に際立った優等生だった将官クラスはその気持ちが強かったように思うんだけど――。太平洋戦争当時の長官クラスは皆五十歳以上でしょう。実は海軍は日本海大海戦から四十年近くも海戦をしていないのよ。つまり長官クラスは海軍に入ってから、太平洋戦争までずっと実戦を一つも経験せずに、海軍内での出世競争の世界だけで生きてきた――」
 ぼくは心の中で唸った。姉の意外な知識の豊富さにも驚かされたが、それ以上に感心したのが、鋭い視点だった。
(百田尚樹「永遠の〇」)

私も感心しました。浅田次郎「終わらざる夏」以来の感心かな…


 
▼ 桐島、部活やめるってよ   引用
  あらや   ..2014/06/02(月) 16:36  No.315
  「クロス・ファイアー」、「永遠の〇」、「桐島、部活やめるってよ」、「ウルルの森の物語」、「旅猫レポート」、「私の頭の中の消しゴム」、「カノジョは嘘を愛しすぎてる」、「モルフェウスの領域」、「マナは海に向かう」、… 今年の読書感想文コンクール入賞作の作品、なんか、読んでない本が多く、今、あたふたと読書中です。やはり、去年のドタバタ図書館がこんなところにまで影響を及ぼしているのかな。(とは言っても、去年のことを言うのは、これが最後ですけど。元凶は除去され、もう図書館から消えたのだから、これ以上あれこれ言うほどヒマじゃない)

今回のラインナップの中で「!」を感じたのは、やはり「永遠の〇」でしょうか。入賞者14人の内、2人がこの「永遠の〇」で賞を取っているという町内ベストセラー。映画の影響かどうかはインタビューしてみないとわからないけれど、映画観ないで先に本で読み始めた身には、小説の完成度が圧倒的に高く、この主人公「宮部久蔵」の真の姿が少しずつ露わになって行く高度な展開を、映画はどうやって映像化するのかなと思いました。

「桐島」はなぁ… 技巧にすぐれた小説であることは認めるけれど、私には、もうこういうのにつきあっている時間がないよとも感じた。(「あまちゃん」にはつきあったくせに…) エルキュール・ポワロも言っている。「どんな人だって、自分が若かった時代がいちばん良い時代だったと思ってるんですよ」。「太陽の季節」、「限りなく透明に近いブルー」、… たった一度きりの自分の青春が大事な気持ちはわからないでもないけれど、だからといって、こういうのを小説に書き残したい気持ちはわからない。十七、八で学校教師を志す奴と同じくらい、わからないなぁ。

 
▼ 旅猫リポート   引用
  あらや   ..2014/06/02(月) 19:46  No.316
   フェリーの口から出ると、眼前にぱきっと青い空が広がった。
「いよいよ北海道上陸だよ、ナナ」
 何だか地面が平らでだだっ広い土地だね。窓から見える景色は普通の街並みなんだけど、空間にやたらと余裕がある。道幅も東京の辺りよりずっと広く取ってあるようだ。
 しばらく走ると景色が郊外になった。そうするとますます広々として気分がいい。車もそんなに走っていないし、ゆったりとしたドライブが楽しめそうだ。
 旅のお供の音楽は、今日もやっぱりハトが出そうなあの曲から始まった。
 道端には紫色の花と黄色い花がまぜこぜになって咲き乱れている。好き放題に生えているので、花壇ではなく野の花らしい。
(有川浩「旅猫リポート」)

北海道話だったのね。

朝井リョウの方が文学性を感じるのだけど、なんかな、愛嬌というか、パッケージリング(←そんな英語、あるのか?)というか、そんなんで、つい有川浩の方に流れちゃいますね。「桐島」の帯、「17歳が 踏みだす一歩は 世界を またぐほど 大きい」とか、「ページのどこかに、17歳のあなたがきっと見つかる!」とか…、センス、もう古い。

 
▼ マナは海に向かう   引用
  あらや   ..2014/06/24(火) 06:01  No.317
  インタビューは先々週で全員終わっているんだけど、先週初めの月曜日に「国策紙芝居」の講演が入って、なんか、それ以降文章化が中断したまま今に至っています。(もう月末休館日か…)

今年も感想文にとりあげられた本は全部読んだけれど、(「永遠の〇」はまぁ置いといて)個人的に「おっ!」と思った本が一冊。喜多嶋隆「マナは海に向かう」。なにがカッコいいといって、各場面、場面でバックに音楽が流れているんだけど、その曲が妙に私の好みと合うんですね。たとえば、元ボクサーの茂さんが自分の過去を語る場面では、ボズ・スキャッグスの「スロー・ダンサー」が低く流れはじめるとか。語り終える時には「ハーバー・ライツ」とか、けっこう技が細かいんだよね。(昔のレコード、聴きたくなった) 世代的には村上春樹だと思っていたのだが、なんか村上春樹だとジャズ臭い(進駐軍臭い)んだよね。微妙にロックしない…というか。

何言ってんだかわからなくなってきたので、やめます。文章化、急がなくては。7月になっちゃう。



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