| この話は、二〇一一年の震災直後、私が関西に出張した際、阪神淡路大震災との比較が話題となった時に聞いたものです。取材ではなく、マイカル時代の知り合いとの会話の中で、「今回、こんな不思議なことがあったのよ」という話が出たのです。 (宇田川敬介「震災後の不思議な話」)
うーん。こういう語り口はどうしたものか。
著者の立ち位置がわからない。民俗学者なのか、郷土史家なのか、ルポ・ライターなのか、震災被害者なのか、そういうことをはっきりさせないまま「不思議な話」を始めるので、本のコンセプトや目指している結論がわからない。でも、解説したいんだろうな。解説抜きで「不思議な話」だけを並べれば、即「遠野物語」になってしまうし…
余計なお世話かもしれないけれど、後ろの著者略歴を引用しますね。「不思議な話」自体はたいへん興味深かったので。
宇田川敬介(うだがわ•けいすけ) フリージャーナリスト、作家。1969年東京都生まれ。1994年中央大学法学部卒業、マイカルに入社。法務部にて企業交渉を担当。合弁会社ワーナー•マイカルの運営、1995年に経営破綻した京都厚生会の買収、1998年に初の海外店舗「マイカル大連」出店、1999年に開業したショッピングセンター小樽べイシティ(現ウイングベイ小樽)の開発などに携わる。マイカル破綻後に国会新聞社に入社、編集次長を務めた。著書に『日本文化の歳時記』『庄内藩幕末秘話』(ともに振学出版)、『どうしてだめなの?「世界のタブーjがよくわかる本』(笠倉出版社)『日本人が知らない「新聞」の真実』(祥伝社新書)などがある。
ふーん。そういうマイカル… 小樽の人は今でもあの建物を「マイカル」と呼びますよ。ウィングベイだなんて誰も言わないもんね。
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