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No.579 への▼返信フォームです。


▼ 斉藤洋   引用
  あらや   ..2022/01/24(月) 18:49  No.579
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図書館で「別冊人間像/平木国夫ヒコーキの小説特集号」をチェックした帰り、児童室の新刊書架で『もうひとつのアンデルセン童話』という本を発見したのでした。「ヒコーキ」の作業をやっている期間、ふーんなるほど…とか言いながら、日本昔話もグリム童話も読んぢゃった。(それくらい「ヒコーキ」は延々と長いのよ…)

 それである夜、最後の革を切って、あとはぬうばかりにして仕事台の上におき、二階にあがって寝ました。
 翌朝になって、仕事場におりていくと、なんと、靴がぬいあげられていたのです。しかも、それは、こういってはなんですけど、うちの人が作ったものより、ずっと仕上がりがいいんです。
 うちの人はその靴をためつすがめつながめて、
「これはなかなかの腕だ」
とうなっていました。
(斉藤洋「サブキャラたちのグリム童話」より「靴屋の小人」)

広瀬弦のかわいい挿絵も相まって、こういう幸福感のあふれる話が夜眠る前にはよかったですね。斉藤洋って、『ルドルフとイッパイアッテナ』の人でしょう。あの本も、私、好きだったなあ。


 
▼ 苦笑   引用
  あらや   ..2022/02/07(月) 05:24  No.581
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 わたしと市立病院の先生とのやりとりはそんなふうだった。
〈すぐに命にかかわるようなことはなく、人にうつることもなく、それでも、一年間くらいは、きつい仕事はだめ〉という病気にかかっている者ができる仕事は、〈暑くも寒くもない屋内で、すわって、のんびり、一日五時間、そういう仕事〉なのだ。
(斉藤洋「アリスのうさぎ」)

こんな奴、隣の席に来たら、ぶん殴ってしまうかもしれないな…と思ったり、いやいや、自分の若い時もこんなもんだったか…と思ったり。

 そんな都合のいい仕事があるだろうかと思っていたら、顔の広い父が市立図書館のアルバイトを見つけてきてくれた。
 (中略)
 大学生のとき、そのころつきあっていたガールフレンドが、夏休みに図書館司書の資格をとるための講習を受けるというので、たいして興味はなかったのだが、わたしも受講し、資格をとった。その資格が役に立ったことになる。
 そのガールフレンドは児童書にくわしく、その影響で、わたしもその分野にいくらか知識があった。たぶん、採用の面接のときにそのことを話したからだと思う。わたしは貸し出しカウンターのはずれにある〈児童読書相談コーナー〉というところをまかされることになった。
(斉藤洋「シンデレラのねずみ」)



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