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No.747 への▼返信フォームです。


▼ 「人間像」第72号 前半   引用
  あらや   ..2020/04/15(水) 16:11  No.747
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「人間像」第72号を進行中です。現在、春山文雄(=針山和美)『愛と逃亡』のデジタル化に入り始めたところ。この作品、原稿用紙321枚(ページ数になおすと約90ページ)の大作です。作業にけっこうな時間がかかると思いますので、現在までに出来ている

加藤テル子『神様の世界』/佐々木徳次『ある疎開者』/上沢祥昭『蹌踉の記 [6]』/平田昭三『文学の周辺で (5)』/P田栄之助『故・P田栄之助君を悼む文章』/加藤テル子『春過ぎて』/P田栄之助『下界の眺め』/針山和美『病床雑記 第七回』

の8作品を先に公開することにしました。『神様の世界』、『ある疎開者』、感じ入りました。P田栄之助効果と言って良いでしょう。みんな、小説が巧くなって来ている! ここに、『愛と逃亡』という更なる爆弾が落ちてくるわけですからね、その衝撃の程を想像してみてください。


 
▼ 「人間像」第72号 後半   引用
  あらや   ..2020/04/24(金) 17:27  No.749
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本日、「人間像」第72号後半(ほとんど『愛と逃亡』)をアップしました。デジタル化にかかった時間は「136時間/延べ日数19日間」でした。収録タイトル数、「1338作品」。

 広い国道をトボトボと、何か全身から闘志が抜けて行く思いを感じながら歩いていると、弱気なことや、虚無的なことに考えが落ちて行くのだが、自動車が見えたり、この道路と並行して走っている鉄道を列車が通ったりすると、その瞬間からぼくの神経がピンと緊張するのが自分でもはっきり分かった、O市の街はずれが近くなったころ、夜は完全に明けて、大きな太陽が海の底から昇って来た。ぼくは崖っぷちの見晴らしの良い所で立ち止まり、一ばん明るくなった水平線のあたりを見つめていた。最初キラリと鋭く輝いた瞬間、輝きは大きくなり、上円が見えだし、ものの数分も経つか経たぬうちに太陽は海を離れ始めた。生れて初めて見る美しい海の夜明けであった。しかしそんなことが美しければ美しいほど、自分が惨めな気がして歩き始めた。
(春山文雄「愛と逃亡」)

沼田流人以来久しぶりの〈山麓〉文学の巨大峰出現を眼前にして、わざわざ小樽部分の引用はないだろうという声も聴こえるが、いいんです、これで。山麓のドラマ描写が精緻であるからこそ、逃亡の果ての小樽湾情景が美しかったのです。読めば、わかる。コロナウイルスの世界に登場したのも何かの縁だろう。



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