| 7月8日より第91号作業に入りました。現在。津田さち子『大和ばかの記(6)』、田川仁『冬の庭』、平木国夫『シドニー通信』、蛭子可於巣『流離の軌跡』までをライブラリーにアップ。これから、佐々木徳次『海辺の里』、古宇伸太郎『漂流(第6回)』に向かいます。
旅するガンの隊列が仰がれた。突然一羽のオジロウワシが出現し、いきなりその群れを掠め、数度の襲撃を試みたあと、あきらめたように彼方へ飛び去った。算を乱していたガンはたちまち元の列に復し、なにごともなかったように竿になり、すぐ鉤にかわって遠くへ消えていった。 由太郎は網走より釧路をめざす途中であったが、こうして墓標のかたわらに立ちながら、地方回りの一座に身を投じた己れの在り方を確かめ、いままでを改めて振り返る心境になっていた。 (蛭子可於巣「流離の軌跡」)
千田三四郎さんの〈乾咲次郎もの〉がいよいよ始まりましたね。ここから、昭和60年(1985年)7月発行『人間像別冊/落ち穂』まで、飛ばしたい。
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