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No.857 への▼返信フォームです。


▼ 「人間像」第94号 前半   引用
  あらや   ..2021/09/20(月) 11:32  No.857
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9月17日より第94号作業へ入りました。本日、津田さち子『大和ばかの記(8)』、平木国夫『大空に生きる』ほかを人間像ライブラリーにアップしたところです。これから平木国夫『絆』作業に入ります。その向こうに針田和明『人魚の島』が見えているんだけど、なんか面白そう。「第一章 りしり」だって。

空は晴れているのに、風が冷たい。カーリングの季節が始まって、歯医者通いも再開。年内の第100号到達、狙ってます。特に意味はないけど…


 
▼ 人魚の島   引用
  あらや   ..2021/10/01(金) 11:14  No.858
  九月中に平木国夫『絆』、針田和明『人魚の島』のアップ完了。
『人魚の島』は、作業前は古宇伸太郎『漂流』みたいな小説を思っていたのだけれど、やってみたらチェーホフの『サハリン島』というか。もう少し文章やテーマが洗練されれば、「人間像」初期の金沢欣哉さんがやっていた漁村文学の進化形になるんじゃないか…とか、いろんなことを思いました。ソ連軍進駐から引揚げまでの残留日本人たちの暮らしは大変勉強になった。
第一章・りしり/利尻島の少年期〜鰊漁〜小樽水産学校
第二章・からふと/元泊〜海豹島〜結婚〜ロシアパン〜岡田嘉子
第三章・とよはら/太平洋戦争〜ソ連進駐軍〜漁業トラスト〜引揚船(真岡港)
第四章・ほっかいどう/引揚船(函館港)〜CIC北海道本部〜物価局〜小樽漁業協同組合
小樽の波止場に佇む物語ラストがいいね。

今日10月1日は、買い替えた空気清浄機(コロナのおかげで量販店の人気ナンバー1商品みたいですね…)の置き場所づくりで部屋の掃除からスタートです。

 
▼ セールスマン物語   引用
  あらや   ..2021/10/08(金) 14:28  No.859
   一と口に一年とは云うものの、此の一年間は私の過去を通じて最も大きく私の性格を変えて了ったと云える。いや、性格が変って了ったと云うのは云い過ぎかもしれない。が、少くとも以前の私には出来ない事を、或る程度平気で実行して居る自分に驚く事がある。
 此の間も、こんな事があった。
 出張から帰った日だったと気憶している。
 夜行に乗って小樽へ着いたのは、朝、九時少し前だったのだが、出張後の整理や、主任との連絡に時間を費して朝食を食べ損ね、昼休みのベルを聞いて、にわかに激しい空腹を感じ、近所のソバ屋へ飛び込み、ザルソバを註文した時、顔見知りの女中が私の前に四つ目の折りを運び乍ら「今日は随分、お上りになりますのね…」と冗談半分、お世辞半分の調子で云った。
「うん。きみの顔を見乍らだと、幾つでも食えるんだよ」 私の口から、実にすらすらと出た冗談である。云って了って、顔の赤らむ思いだった。二十才を越したか越さぬばかりの私が、冗談にせよ、こんな事を云うようになって居たのだ。その言葉の卑俗さよりも、私は殆んど無意識のうちに、それを口にしたと云うことに、或る悲しみにも似た想いを味って居た。
(渡部秀正「セールスマン物語」)

これは、上沢祥昭『ある文学徒集団の歴史(4)』に引用された渡部秀正『セールスマン物語』です。うーん、ちゃんと新字新仮名になっている…

 
▼ 「人間像」第94号 後半   引用
  あらや   ..2021/10/08(金) 14:36  No.860
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「人間像」が新字新かなに切り替わるのは第50号あたりだったでしょうか。かなり遅い。人間像同人は旧制中学最後の世代ですから、基本的に旧字旧かなで教育を受けた人たちです。戦後の代用教員で学校に行ったグループは比較的早く新字新かな/当用漢字に対応して行くのですが、そうではない、旧制中学から直で社会人になった人たちはけっこう遅くまで旧字旧かなで小説を書くんですね。(まあ、これは「人間像」だけに限ったことではなく、「文学界」や「新潮」などの一般文芸誌なども切り替わるのは遅かったのですが… 新字新仮名を嫌う大御所がほとんどだったのでしょう)

いつまで経っても「新字旧かな」の時代が続くので、業を煮やして自主的に「新字新かな」表記に換えたのは「人間像」第37号からです。画面が急にくっきりはっきり、「人間像」が読みやすくなった日のことを今でも覚えている。

もっと早く気づくべきであった。『セールスマン物語』を読み返してみて、今すぐ「新字新かな」に直したい欲求を抑えることができない。こんな素晴らしい渡部さんの世界が「旧かな」のせいで皆に読まれないとしたらとても悲しいことだ。もっと早く切り替えるべきだった。せめて、ガリ版の時代が終わって、活版が定着する第23号以降は、いつか「新字新かな」を実現したい。いや、する。

というわけで、昨日「人間像」第94号作業、完了です。作業にかかった時間は「107時間/延べ日数20日間」。収録タイトル数は「1792作品」になりました。



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