|
Name: Mito
Date: 2011/09/30(金) 23:23
|
返信 引用 編集 |
Title: 震災について
|
|
こんばんは
こちらの掲示板をよく拝見させていただいております。
ところでいつも思う事なのですが、今回のような震災の被害にあわれた地域にも、当然神社やお寺があり、熱心に神仏を祀られている方々がおられたと思うのですが、東日本大震災のような未曾有の大惨事は仕方のない事なのでしょうか?
運命ととらえればそれまでなのかもしれませんが、それが大神様の御心にかなっている事ではないように思います。
やはり、事件や事故、災害に遭うのはどうする事もできないのでしょうか?
|
|
|
|
Name: 宮司
Date: 2011/10/02(日) 14:25
|
引用 編集 |
Title: Re:震災について
|
|
Mito さま
こんにちは。
今年は東日本大震災をはじめ、数々の台風襲来・・・。 たいへんな災害の年になってしまいました。 それが神様の御心なのか、と訊かれれば神職としては”否”であって欲しいと思うばかりです。
大災害というのは神世の昔からたびたび起きていたものです。 神様というのは、人智を超えたとてつもない力を持っている存在であります。神様を大自然と言い換えても良いかも知れません。 地面に巣を作る蟻の群れが人間の一足で踏みにじられてしまうように、大自然の大神様の前にあっては人間の営みも小さく脆い存在に過ぎないのかも知れません。 だからこそ古来人々は祭祀を行ない、神に祈ってきました。 雨が降らなければ雨乞いをし、水害が続けば止祈雨祈祷をし、身を清めて祭祀を厳修して、たびたびの復興事業では心願成就を祈念してきました。 一重にそれは天地神明を畏怖するが故です。 人間にばかり利することが、神明の目的ではないのだと思います。
私は「地球にやさしく・・」という言い回しが嫌いです。 地球規模の自然の営みとなれば、人智を超えたものである筈なのに、何かそれを人間が手なずけているかのような一種のおこがましさを感じるからです。 大自然に対する畏怖と謙虚な気持ちを常に忘れてはならないのだと思っています。 大震災はそのことを改めて思い出させるに充分でした。 しかしあまりにも悲しく、無慈悲ともいえる災害でした。
悪いこと禍事(まがごと)をもたらすのは禍津日の神という神の仕業だと云われます。 祟りをなす神の仕業と云われます。 人間に祓いが足らないからだと云われます。 人間に謙虚さがなくなって、思い上がったことにたいする罰だとも云われます。
しかしながらそれを直していく、直日の神という神も居られます。 街の繁栄を後押ししてくれる神が居られます。 心願成就を誓って、街の復興に骨身を惜しまない人々が居ります。 世界中の人々が復興と再びの繁栄を祈ってくれています。
本居宣長が言う、「吉凶相あざなるが福に帰す」という言葉を今は信じるのみです。 ”吉事と禍事は交互に起きるが最後には福に帰する”それは神話研究の中に彼が見出した一つの信念だったそうです。 それこそは”大神様の真意”であると、神職として一人の人間として私は信じています。
陸前高田市に鎮座する今泉天満宮は、津波で流された神社のひとつでした。 荒木宮司は流失した社殿の基礎の上に、社名旗とともに「先 神事」と大書した大幟を立てました。 横には「神は人敬するによりその威を増し、人は神の恵によりその徳を増す」と添書きがあります。 その一字々々に、天地神明に対する宮司の心持ちがよく表わされています。
ひたすらに破壊された町と日本全土の復興と、犠牲者の慰霊を祈って止みません。 私ども氷川神社としては、岩手県陸前高田市の今泉天満宮・荒木宮司、大槌市の小鎚神社・松橋禰宜を通じて微力ながら支援活動を行なっております。 1,2年で終わらせずに、細く長い活動にしていこうと思っております。 http://guuji.exblog.jp/16517054/ http://guuji.exblog.jp/16485321/ ↑「宮司の独り言」などを通じて随時報告して参りますので、今後ともご協力の程お願い申し上げます。 ご投稿、ありがとうございました。
|
|
|
|
|
Name: Mito
Date: 2011/10/04(火) 22:02
|
引用 編集 |
Title: Re:震災について
|
|
宮司様
質問に詳しくお答えいただき、ありがとうございます。
また、とても良いお話を聞かせてくださり大変感動しました。 読んでいて、涙が出そうになりました。
<神様を大自然と言い換えても良いかも知れません。
神様とは…
ただ、そこにいらっしゃる存在。 太陽であり、風であり雨であり…。
生命の授与と奪取を行う事。 それら、どちらもが尊いこと。
その大自然の中に神様という存在を見出した太古の人たち。 生かされてるという事に感謝する事。
それは心のあり方を問う事であるのかもしれません。
自分なりではありますが、少し考えてみた事です。
今回は本当にありがとうございました。
|
|
|
|
|