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以前の勤め先では山椒味噌を売り物にしていたので、90年代の初めから山椒を摘みに行くのは新緑時の恒例だった。
山を歩いているうちに見つけた群落地が道志の鳥ノ胸山の稜線にあって、何度か出かけたことがあるが、八ヶ岳に引っ越してきてから久しぶりに行ったときには、まったくといっていいほど絶えてしまっていた。山椒は出やすいけれど、寿命は短いようだ。
兎藪の稜線にも多くて、何度も出かけた。もう新芽の時季に20年近く行っていないが、今ではどうなっているだろう。
キロ単位で摘むのは相当な手間だが、500グラムも摘んで佃煮を造っておけば、むしゃむしゃと食べるものでもないので、私の宿でお客さんに提供するくらいなら1年もつ。最近では、山に出かけなくとも、庭に生えている山椒の木の枝を一本伐って、新芽をハサミでチョキチョキと切って済ませている。
今年もちょうど採りごろとなったので、家の表と裏に勝手に生えている木の枝をそれぞれ伐った。山椒は木によって香りの強さが違うからだが、佃煮にしてみて出来の違いはあるだろうか。
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