| 本日、第82号の巻頭作品、せんだ・かおす(=千田三四郎)『そして、得られたもの』をライブラリーにアップしました。以降、小説作品は、針山和美『誤算』、金沢欣哉『温泉ノート』、朽木寒三『ハラバ山の伝説』と続きます。
磯の臭いが、おれをせきたてているのか。からだに、しみついている、この臭いから、逃げだしたい、意識のあがきなのか。いずれにしても、やませ≠フように、突っ走ってしまった行為なのだ。それを正当化しようなんて、考えてもいないし、正義なんて、立場のちがいで、どうにでも理屈づけできる、強者のてまえみそなのだから、『虫けらにだって』と、おれなりの欲求を、ぶっつけたって、結果さえよければ、それなりの言い訳もつこうではないか。なにはともあれ、網を投げこんだからには、予想される障害を押しのけ、うんぷてんぷにまかせて、かかりきるしかない。 (せんだ・かおす「そして、得られたもの」)
『そして、得られたもの』、よかった。イントロから持って行かれて、ラストまで息つかず駈け抜けましたよ。久しぶりの千田ワールドを全身で堪能した。そして次は『誤算』ですからね。たまらない2020年の幕切れです。では、よいお年を。
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