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読書会BBS

 
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▼ 珍妃の井戸   [RES]
  あらや   ..2011/08/20(土) 07:20  No.239
  今度は「藪の中」か… 相変わらず芸が細かいな。なぜか、この一冊だけ未読でした。

浅田次郎って、ケンタッキーのフライドチキンみたいなもので、わかりきってる味なんだけど、市場の唐揚みたいにハズレはないから時々無性に食いたくなったりします。



▼ 前川さん   [RES]
  あらや   ..2011/07/30(土) 08:31  No.237
   おい、お前元気か。俺は元気だ。家の坊主はこのごろ上機嫌だ。お盆でしこたま酒を呑んだからだ。だが俺は心配している。お盆の酒も残り少くなってきたからだ。変なことだが、葬式がないと家のものは干上ってしまう。先日、俺はそれでも、久しぶりに魚を喰ったよ。押入れへ火鉢をもちこんで、汗を流しながら焼いて喰べた。俺の後は、おふくろと兄貴、最後に坊主が酒をのみながら喰っていた。押入れへ誰かが入ったあとが大変なのだ。魚の匂いを消すために、家じゅうをウチワであおいで歩くのだ。檀家に知れたら事だからな。お蔭で、三日分の線香を一時間で使ったよ。線香というやつも、魚の匂い消しにはもってこいだ。一度、遊びにこないかい。押入れのなかで、魚を喰わせてやるよ。さらば。
(畔柳二美「こぶしの花の咲くころ」)

いやー、これは、たまげた。映画「サムライの子」のミヨシ以来の、超絶キャラクターではないだろうか。こんな人が余市の町に隠れていたなんて! なんと素晴らしい町なのだ。

テレビがないので、どんどん読書がはかどる。この本も、昔、生協のチャリティコーナーで50円でゲットした本なんだけど、全然読みもしないでなんて放っておいた一冊なのでした。深く反省しています。あの「姉妹」が、こういう風に展開するなどとは夢にも思いませんでしたね。畔柳二美を見直した。ガッツあるわ、この人。

お詫びに、さっそく「八月の小樽」でとりあげさせていただきます。


 
▼ ミリオン・ブックス  
  あらや   ..2011/08/07(日) 13:30  No.238
  この「こぶしの花の咲くころ」の装丁がひどく気に入ってしまって、残りのミリオン・ブックス、「姉妹」と「限りなき困惑」の2冊もアマゾンで購入。

「限りなき困惑」、良かった。「ある男」の変な緊張感も良かった。島尾敏雄の「贋学生」をちらっと思い出す。「夫婦とは」のポカーンとした読後感も良かった。こっちは、橋本治フレーバーかな。


▼ 地に埋もれて   [RES]
  あらや   ..2011/07/26(火) 09:56  No.236
  あさのあつこ「地に埋もれて」。今回の小学校・出前図書館のブックトークが「土の中から出てきたよ」。そのための本選びで見つけた一冊です。ちょっと性描写があったのでブックトークには使えなかったのだけど、読んでみる分には、なかなか面白い本でした。

アナログ放送が終了して、今、一時的にテレビがない状態なんだけど、なかなか快適。時間がたっぷり使えます。ばりばり本が読める。忙しい夏休み期間中の図書館なんかには、ある意味、最適の非常態勢かもしれませんね。(これを長くやっていると、どんどん時代からかけ離れてゆくのだろうけれど…)



▼ 銀狼王   [RES]
  あらや   ..2011/07/16(土) 09:01  No.235
  「ウエンカムイの爪」より面白かった。ていうか、「北海道でヒグマに襲われた動物写真家・吉本を救ったのは、クマを自在に操る能力を持つ謎の女だった。」(後ろページの広告) あれー、そんな面白そうな話だったろうか? もう、昔読んだ本、片っ端から忘れてゆくんだから、ほんと、しょうがねえ…

「狼王ロボ」の形にきちっとハマったら(パクリとは言いません)、もう誰もかないません。美しい技あり一本。



▼ こころ   [RES]
  あらや   ..2011/07/16(土) 08:47  No.234
  まずは、七瀬晶「こころ〜不思議な転校生」。

カドカワ銀のさじシリーズ、ちょっと興味深い。
http://gin-no-saji.com/index02.html

ペンネームに「七瀬」を使うくらいだから、やはり筒井康隆なんだろうけれど。でも、タウンゼンド風味に仕上げたところがアイデアというか、カバーというか。(パクリとは言いません) 「未知の来訪者」、懐かしい…(アマゾンで中古に4000円の値段が付いていたのには吃驚!)



▼ 北の清掃員物語   [RES]
  あらや   ..2011/03/09(水) 08:24  No.229
  「社会的評価かい。今ではあまり常識ではなくなったと思うけれど、昔は男が外で稼ぎ、女は家で炊事、洗濯、掃除に、子育てをやるのが常識だった。だから清掃とは“女がついでにやる仕事”という概念が、今でも多くの人の考えに潜在しているんじゃないか。つまり清掃はその程度の仕事でしかない、という社会の評価があるんじゃないのかということさ」
「今でもそんなに低い評価がなされていますかね」
「わし自信は、そんな低い評価がされる仕事だとは思っていないよ。ただ同世代というか年齢的に違うかもしれないがな。さらにもう一つ重要なことは我々の世代は、学校でなにか悪いことをすれば罰として掃除をさせられたということさ。特に学校教育という中で、罰として便所掃除をさせることが当たり前のように行われてきた。“罰としてやる仕事=掃除”そういう偏見が生まれて当たり前だったのさ」
「宮島さん、罰としての掃除は、私の学校時代でもありましたよ」
(鈴木一成「棄てられたものの行方」)

忙しかった二月の反動なのか、先週の休みは小樽でだらーっとしていました。(少し元気になった) 暖かい部屋で、寝ころんで図書館の郷土資料室から借りてきた本を読んでいた。当たりだった。

私は「清掃員」物語が好きみたいです。「モップの魔女」シリーズはもちろん(新刊が出たみたい♪)、「逃亡者」リチャード・キンブルの清掃員ものも好きだし、「プロレス悪役列伝」カール・ゴッチ×馬場正平の清掃車トレーニングは今でも心に残っている。

学生時代にアルバイトで身につけたビル清掃の技が、職のない時などには役に立った。田中さんと宮島さんの思弁が心地よい。

写真は(関係ないけど)庭にあったアニマル・トラッキング。ウサギかな… テンかな…


 
▼ モップの精  
  あらや   ..2011/05/23(月) 10:21  No.233
   「ほら、このセロファンテープ」
 差し出されたビニール袋を見て、やっと理解する。それはぼくが友也に渡したビニール袋だった。中に、ネイルエナメルの付着したセロファンテープが入っている。
「捨ててあったって……どこに? 友也のゴミ箱?」
「ううん、男子トイレの。でも、男子トイレの掃除もわたしの担当だから」
(近藤史恵「モップの精と二匹のアルマジロ」)

出た!トイレ問答(笑) およそ、清掃を生業とする者にとって、このトイレ掃除問題は、古くて、新しい。女は男子トイレ清掃に入れるのに、なぜ男は女子トイレに入れないのか? 田中さんと宮島さんも熱っぽくこれを語っていましたね。「罰当番」と並ぶ、日本清掃史の根幹にかかわる大命題。「モップの精」シリーズは、いい小説だ。頭のいい小説だ。


▼ ノーと私   [RES]
  あらや   ..2011/05/21(土) 14:06  No.232
  2008年のフランス本屋大賞。朝から布団の中で読み出して、一気にただ今読了。いやー、よかった。フランスの13歳の少女の孤独が滲みた。

今年も京極読書新聞「京中生にインタビュー」のシーズンが始まって、今、町の読書感想文コンクール(課題図書なし。各自好きな本を自分で選ぶ)入賞作の本を片っ端から読んでいるところですが、今朝の「ノーと私」は格別でした。こんな、深い本を読む中学生もいるんだね。感心した。
自分の中学生の時を思う。おそらくこういう本を読んでいたら、3ページめくらいで頭がショートしてしまっていたでしょうね。字が読めないというよりは、人間関係ってものが全然わかっていなかったから。
「ノーと私」。イギリス人が凄いのは知ってるが、フランスのヤングアダルトもなかなかやるもんだな。

さあ、気をとりなおして、今日の仕事をやろう。6月号の記事、書かなくちゃ。あ、その前に、スワン社資料室の「五月の小樽」か…



▼ 人間の岬   [RES]
  あらや   ..2011/03/28(月) 20:27  No.230
   統佑はちょっと訝しそうな顔をした。
「三月の三陸地方を襲った大津波で、肉親をいっぺんに亡くしてしまったんですもの、おなじ漁師仲間はわがことのように同情してますよ」
 つらそうな表情になって、たみ子はやや硬い声でいった。
 三月三日、三陸地方に大地震が起り、つづいて発生した大津波のために沿岸一帯は甚大な被害を受けた。大津波はあっというまに浜に繋留してあった漁船を片っ端から押し潰し、陸地に襲いかかってきた。
 はじめは遠くの水平線がギザギザの形で盛りあがったと思うと、海全体が立ちはだかった形で白い牙をむき、凄じい速度で押しよせ、村や人家をまるで空から叩き伏せるようにして、上陸したのである。
 この未曾有の大津波で、海沿いの低地にあった人家や田畑はすべて流され、三陸地方全体の死者は千五百三十五名にのぼり、流失家屋は三千五百戸にも達した。深い入江のある天然の漁港、陸中野田の青柳の実家も大津波の襲撃をまともに受け、年老いた母親、兄夫婦、その二入の子どもたちは、一瞬のうちに大波にさらわれてしまったという。
(夏堀正元「人間の岬」)

昭和五年三月、鰊漁に沸く積丹半島美国の浜で始まった笹沼勉三・十九歳の物語。あれよあれよという間に、時代の嵐の中を「マンチュリアン・リポート」まで突っ走ってゆく夏堀正元氏の馬力には驚きます。脱帽。
尼港事件、第一回普選、多喜二の拷問死、満州… 美国のヤンシュウたちの物語も続くけれど、合間合間には抜け目なく、滝川事件、三原山の自殺ブーム、死のう団、東京音頭などの話題も落とさない。もちろん、「三陸津波」も、引用のように巧みに物語の中に織り込んでしまう。見事なものです。

平成23年3月の東日本大震災。これからの日本人の生き方が変わるでしょうね。
今、いらないものは、これからも、いらない。


 
▼ 失速  
  あらや   ..2011/04/03(日) 07:33  No.231
  最後の2、30ページがつらかった。目が前に進もうとしない。もうすぐ話が終わろうとしているのに、まだまだ延々と「中共」話をやってんだもん。「美国」の最高の素材を、こんな風に料理するかな。

 先生は両手をしばらく宙に上げ、それから膝の上に下ろした。「私が大学をやめ、エリの父親もその二年後には大学を離れた。彼は当時毛沢東の革命思想を信奉しており、中国の文化大革命を支持していた。(中略)毛沢東語録を掲げることは一部のインテリにとって、一種の知的ファッションにさえなっていた。彼は一部の学生を組織し、紅衛兵もどきの先鋭的な部隊を学内に作り上げ、大学ストライキに参加した。彼を信奉し、よその大学から彼の組織に加わるものもいた。そして彼の率いるセクトは一時けっこうな規模になった。」
(村上春樹「1Q84」)

「人間の岬」のようなメンタリティは、すでに村上春樹によって完全に消化・吸収されていると思います。


▼ ウラジオストクから来た女   [RES]
  あらや   ..2011/03/04(金) 10:20  No.228
  「それにしても深瀬先生。お見事な鑑定です。西洋医学でこんなに明快な鑑定を拝聴したのは初めてです」と言う五条に、
「何を言うんですか、次席……」とそばで大内が説明した。
「明治の初めから深瀬先生を中心にした函館病院は、函館に住む西洋人がみな信頼していたもんだ。覚えておいでですかな、先生。あれは確か明治十一年のことだったの。蝦夷地のアイノのことを知りたいと函館にやって来た旅行家と称する五十がらみの英国女が、病院を見学してゆきましたが……」
「ああ、英国領事館のユースデン領事が案内してきたことがあったな」
「私は警備を命じられてついて歩いたども、その女は病院のことを、手術や消毒のやり方まで詳しく調べていったの。足を切断して二十日余りなのに杖をついて歩いていて退院間近だという患者を見て、日本の北の外れの町でこんな優れた西洋医学の技術を持った病院があるのかと驚いていた。あの女、何という名前だったか」
(高城高「函館氷室の暗闇」)

前座の耳障りな歌なんか、忘れてしまった。

さあ、明日の製本教室、頑張るぞ!



▼ ニサッタ、ニサッタ   [RES]
  あらや   ..2011/01/18(火) 10:47  No.224
  奉天の地、去りがたく候…

という気持ちいっぱいではあったのだが、やはり別れの日は来る。最後のページは来る。幸運だったのは、次の知床物語にうまく転生できたこと。

派遣村にも並ばず、民主党に投票すれば仕事が見つかるかもしれないなどという愚かな幻想を抱かなかっただけでも、あんたはえらいと思うよ。


 
▼ 地のはてから  
  あらや   ..2011/01/25(火) 21:22  No.227
   僕の前に道はない
 僕の後ろに道は出来る
 ああ、自然よ
 父よ

ご存じ、高村光太郎の「道程」。ふーん、こういう文脈で、この詩は読むのか…と、とても感心しました。ほとんど、目ウロコです。楽しく読書中。








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