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茅野市と諏訪市にまたがる山域は何度となく分け入ったが、永明寺山の南側を歩いたことはなかった。
1年くらい前、茅野市の車道で信号待ちをしているとき、山へと入っていく小径があるのを見て、帰って地図で調べ、永明寺山の南側にはおそろしく多くの遊歩道が整備されているのを知った。古くからある径を踏襲しているのだろう、地元の人以外に歩く人はまずあるまい。
去年の9月、大汗をかいてその1部を歩いてみて、夏は暑すぎるとしても、それ以外の季節の山歩きに良さそうだと思っていたのが、裏のご隠居さんから声がかかったので、さっそく出かけることにしたのだった。
前回と同じではつまらないので、茅野市で整備した歩道を最も長く歩くコースを設定した。すなわち、鬼場城から永明寺山を越えて上原城へ下る、歴史散歩といってもいいコースである。これらも武田氏がらみの城址なので、先々週の要害山に引き続き、ご隠居さんとの歴史山歩となったのである。
車を置いて完全な周回ができるのがいいところで、それでいて、舗装路を歩く部分がほとんどない。これは、ビーナスラインに並行して遊歩道が通じているからで、この径が、そもそも鬼場城と上原城を結ぶ径ではなかったかと思った。
永明寺山からの下りで立ち寄った上原城が今回のハイライトだった。三の郭に建つ金毘羅神社の裏手にある物見石という岩がすごかった。茅野のエアーズロックである。鬼場城にしろ上原城にしろ、城というものは理屈で建てられているんだなあといつも感心する。これすなわち城巡りの醍醐味なのだろう。
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