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裏のご隠居さんから声がかかったので、3月初めての山歩きに出かけることにした。甲府では20℃にも気温が上がるとの予報に、高冷地の住人としては、ちょいと季節を先取りしてやろうと考えた。
となると、行先は甲府の北山で、手っ取り早く片山かなあと思ったけれども、さすがに新鮮味が薄い。そこで、この山に巡らされた径の中で、歩き残した、ほとんど最後といってもいい径を歩くことにした。すなわち、頂稜の歩道以外、めったに人を見かけることのない片山の中でも、さらに人の訪れの少ない、山の北側に通じた径を歩く。
現地へ行く途中の敷島の里では今しも梅が満開で、もうすっかり春めいている。かたや、我々の住処では道路に先週の除雪した雪が残っているのだから、えらい違いである。
もともと車が通れるように造った道は、いまや入口もわかりづらい。多くの倒木で塞がれており、ひさしく車の往来もないらしい。車の道だから傾斜は緩やかだが、それでも歩いていると汗ばんでくる。川向うの山のてっぺんがきれいな雑木林になっていて、こんどはあそこに行ってみようかと思う。
最近は頂上のない山歩きばかりだから、一応、片山(大宮山)の最高点には敬意を表した。
その後、お気に入りの座敷に移動して、甲府盆地を睥睨し、お山の大将になって昼を過ごした。
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