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かつてとは天候の具合が違ってきて、3月に新府の桃のお花見とは驚かされる。まあでも花見をする側としては滅多にないチャンスとばかり新府桃源郷に繰り出した。チャンスというのも新府城址の桜もいっしょに楽しめそうだと思ったからだった。
たわらさんと裏のご隠居夫妻、そして横浜からは山の絵描きさんが遠路参加である。
朝方までの雨も上がってぐんぐんと天気は回復する予報だが、遅い出発としたものの、まだ青空は少なく風も強かった。
新府城址は花見の穴場である。昨日も数えられるくらいの人しかおらず、長い滞在の間には、本丸広場に見渡す限り人影が見えないこともあった。風は強いものの、城址に突き当たって上に抜け、風音だけが聞こえる。やや満開を過ぎた桜がときおり花吹雪となる。青空が拡がって陽が射し始めると春らしい暖かさで、草地に寝転がって長い昼休みとした。なんとぜいたくな花見だことか。
新府城址には不思議なことにまともな道標がなく、桃源郷に下る道には数々の遺構があって立派な説明板もあるにもかかわらず歩く人は少ない。
それをたどって桃畑に出れば、まだこの早い開花が伝わっていないのか花見客はほとんどおらず、摘花作業の始まる前の畑には農家の人もまったく見当たらなかった。
のんびりと歩いても、まだ午後早い、遠回りをして道々の桜を見物しながら帰った。世はまさしく春爛漫である。
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