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ちょっとしたアクシデントで戦列を離れていたおとみ山と、そして絵描きのすがぬまさん、驚異(脅威)のローリング80sおふたりとの新年山行にはどこがいいかと頭をしぼった。
相変わらずの好天なのだから、展望がいいに越したことはないし、絵を描く時間も欲しいからのんびりゆっくりと歩けるところがよい。それでいて人けのないところ、すがぬまさんは東京から日帰り、といろいろ条件を考えて、茅ヶ岳の尾根歩きをすることにした。日本一明るい山は冬の散歩にはぴったりである。
茅ヶ岳が「ニセ八ツ」などと言われるのは、頂稜の山容もさることながら甲府盆地方面から見た山裾の相似にもあって、ふたつの火山の長い裾が重なって見えるのは、かなり珍しい光景ではないかと思われる。
八ヶ岳の裾と重なっている茅ヶ岳の稜線は、北杜市と韮崎市の市境尾根である。中央高速の韮崎インター北で掘割状に断ち切られているのがこの尾根で、茅ヶ岳の稜線の中でもっとも長い。茅ヶ岳の尾根を片っ端から歩いてみようと企てて、まず歩いてみたのがこの尾根で、もう10年以上前のことになる。
ところどころが伐採地で展望もいいので、私がまだ知らない方面から登って自分の興味も満足させつつ、この尾根をつまみ食い的に歩いてみることにした。歩きだしてすぐ、里道での南アルプスの絶景に、はやくもスケッチ休憩をすることになった。
古くから利用されてきた茅ヶ岳の裾野には無数といってもいいほどの作業道があって、使われたあとには廃道となっている。むろん地形図にそんなものはまったく記載されていない。現地にてそれらを適当に拾いながら稜線に出た。
この日の目標にした尾根上の突起にある三角点名は「宮の入」である。4等点だから比較的新しい。すぐそばの枯れた赤松の大木の根本には石祠が2基あって、それからの命名だろうか。あたりは、かつては大展望があった広い伐採地だったが、今では若い楢林になっていて、しかし、枝越しに甲斐駒や鳳凰が並んでいるのも乙なものである。そこでスケッチタイムを兼ねた昼休みで1時間以上も過ごしたのちの帰りがけには、こんどはすっきりと八ヶ岳の見える場所もあって、すがぬまさんはまたスケッチブックを取り出すことになった。
隣の尾根にはまだ伐って間もないように見える伐採地があった。そこもさぞかし展望がよいだろう。来週の木曜山行で訪れる場所が決まった。
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