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 冷山 黒耀石彷徨    ..山旅     >>引用
      2023/06/30(金) 10:07  No.6732
 
 
下界が猛暑日になるというので、これはなるたけ高いところに出かけねばと頭を絞った。そうなればだいたいが中信高原へとなるのだが、思いつくところにはたいてい出かけているから、何か目新しい案はないものかと頭を絞るのである。

今年は和田峠付近にやたらと出かけていて、つい先日には和田峠山から星糞峠を眺めた。つまり黒耀石と因縁が深い。となると思い出されるのは冷山である。

過去2回、冷山には出かけていてる(2018.8)(2019.9)

最初のときには、この山中にあるという黒耀石の露頭をあわよくば拝んでという希望もあったのだが、この広い山中にあてずっぽうでは見つかるはずもなかった。2度目には、冷山の、登る途中の森と、ほとんど土を踏むことがないくらいの苔に覆われた地面が気に入って、もう一度行くことにしたのだった。なにせ避暑にはぴったりの標高と名前である。

その後に読んだのが、『八ヶ岳の三万年 ー黒曜石を追ってー 』(小泉袈裟勝著・法政大学出版局)という、1987年に出版された本であった。これは15年あまりに及ぶ、麦草峠近辺や冷山での黒耀石探査行の記録である。1978年、冷山の露頭を発見するまで、なんと4年もの歳月がかかっているのである。これではあてずっぽうで行き当たるはずもない。

しかし、これら先人の記録から、おおよその位置はわかる。そこで今一度、こんどは頂上を目指さず、森を彷徨して、あわよくば露頭に出合えればと、計画を練った。小泉さんの本の略図には、逆川第一歩道や第二歩道なる道が記載されているが、当時でもすでに廃道に近かったという。それから50年近くたっている今では痕跡を探すのもむずかしいだろう。ままよ、現地に行ってから仔細は決めることにする。

犬も歩けば棒に当たる。運がよかった。苔に覆われた森をさまよううち、その露頭に出くわしたのである。大露頭そのものは黒耀石という感じはしないが、地面に破片が転がってギラギラと光っている。実のところ、この露頭あたりの黒耀石は実用としては質が低く、質の高いのは、ここより上部にあるが、これはおいそれとは見つからないと本にある。

インターネットには少数ながら記録もあるので、人の訪れも間々あることだろう。行きがけは適当に歩いたのでマーキングの類はほぼ見なかった。帰りがけには、露頭から続くマーキングのとおり歩いてみたが、それも途中で見失ってしまった。

ま、この黒耀石露頭は見ものといえばそうだが、そこに至る森がよかった。苔に覆われた暗い森の中にぽっかりとオアシスのような草原もあって、レンゲツツジがわずかに残っていた。こんな空間もおそらくは人の手が加わった名残ではあろうが、夏の暑いときに散歩にきて昼寝でもすれば最高であろう。もっとも、そんな変人は少なかろうが。

横谷峡の上部にある大瀧神社のご神体や、尖石考古館の玄関前にあるのは、この冷山から切り出した黒耀石だというので、帰りがけにはそれらも見学して、実におもしろい半日の山遊びを終えた。


 Re:冷山 黒耀石彷徨    ..おとみ山 [URL]     >>
        2023/06/30(金) 22:29  No.6733
 
 
犬棒カルタではありませんが、今回の3人のメンバーのうち、2人が戌年ということで、密かに期待はしていましたが、犬棒カルタのご利益か、見事!大きな棒にぶち当たりました。

苦節5年とやら……今回が3回目の「冷山黒曜石探訪」でしたが、ヒントを得て、確信を持った師匠の目と勘に狂いはなく、ほぼまっしぐらに目的とする現場に辿り着いたのです。

笹の原や北八的な苔と原生林を縫って進みましたが、踏み跡もどきやシカ道以外には何も無いので、見当をつけて入ったとしても、普通であれば右往左往迷うことは、必定かも知れません。

過去2回はもう少し高い東側を探っていたことも分かりました。大石ゴロゴロの涸れ沢を渡る際に、ぬるぬると滑る石に足を取られて、前のめりに倒れこみましたが、何ごともなく無傷で済んだのも、縄文人と黒曜石のご加護の賜物だったのかと。

肝心の黒曜石露岩は、バス1台分どころか、3台を重ねた程の高さで、横幅も全体では10m余。間に生えた樹も大きく育ち、全体が厚い苔と崩れた土砂に覆われて、ところどころに露出している黒曜石が、陽射しに反射しなければ、誰しも気が付かないであろうという現場でした。

師匠も紹介しているとおり、黒曜石の質としては上物では無いようですが、帰途立ち寄った横谷峡の大瀧神社の御神体黒曜石をご参考にご覧ください。昭和16年に遠く冷山から、困難を極めながら人馬で曳航したと、説明されていましたが、これも黒曜石銀座ならではの珍しく貴重なものだと思います。


 黒耀石彷徨    ..馬子     >>
        2023/07/01(土) 06:03  No.6734
 
 
【6733】おとみ山氏投稿
木曜山行の「冷山に登る」的記述よりも「黒曜石を訪ねて何千里」という感じですね。無事バス3台分の黒曜石露岩の発見、祝着です。さぞかしインディージョーンズの心境になったでありましょう。

黒曜石の故郷は麦草峠ではなく星糞峠らしい。かっては馬糞の散乱の如くそこらに転がっていたのでしょう。火山性ガラス質で鋭利な刃物の材料にしたようですが現代では貴重な「宝石」です。・・馬糞と宝石の時空を経ての乖離、脈絡に想いを馳せます。戌歳の鼻を利かせて馬糞臭頼りにて獲得した黒曜石は是非「神棚」に備え今後の山行の「熊鈴」替わりとしてもいい。今年は熊の出没多いです。


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