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最近自宅でも読書をするようになったが、普段は旨い珈琲を飲ませて貰えるお店で読むのが好きで、第一書斎(ファミマのイートイン)と第二書斎(恵比寿ガーデンプレイス内にあるカフェ・クリエ)が行きつけのコーヒーショップである。 最近はコンビニでも安価で美味しい珈琲をだしてくれるし、お店の人に「今日は貸し切りですね」などの冗談も言ってくれる。今回は第二書斎で下巻を読み終えた。
●沢木 耕太郎著:「天路の旅人(下)」 新潮文庫
【三年の月日をかけて中国北部からチベットまで辿り着いた西川は、インドへ向かいそこで日本の敗戦を知る。密偵の任務は失うが、それでも新たな世界への探究は止められなかった。ヒマラヤを幾度も越え、さらにさらに奥へ。しかし旅は突如終わりを告げる。西川が著した三千二百枚の生原稿と五十時間に及ぶ対話をもとに、未踏の地に魅せられたひとりの旅人の軌跡を辿る、旅文学の新たな金字塔。―本の紹介より―】
天路(あまじorてんじ)とは「仏教では天上界へ通じる道」と呼ぶのだそうだ。 最初は政府からの密偵だったらしいのだが、第二次戦争が終っても歩き続けたというから驚きだ。主人公の西川一三(かずみ)は25歳のとき、日本ではラマ教と言われたチベット仏教の蒙古人巡礼僧になりすまし、日本の勢力圏だった内蒙古を出発、当時の中華民国政府が支配する寧夏省を突破し、広大な青海省に足を踏み入れ、中国大陸の奥深くまで潜入した。実に足かけ8年の長い人生を歩き続けた稀有の人でもある。 とにかくスケールが大きく圧倒された。【20251005(日)】
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