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No.1273 への▼返信フォームです。


▼ 「人間像」第146号 前半   引用
  あらや   ..2026/02/19(木) 09:06  No.1273
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先週から第146号作業がスタートしています。今、堺比呂志『観音化身』を人間像ライブラリーにアップしたところ。今号は『観音化身』に続いて、丸本明子『蜉蝣』、佐々木徳次『巣立つまで』、春山文雄『白の点景』、日高良子『八百字のロマン』などが並んでいます。114ページと薄い号なので今月中には仕上げられるでしょう。

「この道を下って右に折れ、一丁程行きますと小公園があります。その向こうにお寺があります。その横です」
 彼は礼を言って、言われた通りの道を歩いた。お寺は観音寺と標柱が立っていた。寺の庭で草むしりをしている女が見えたので、その女の処に行った。
「藻岩山登山口はこの辺だと聞いてきたんですが」
 その女は柔和な顔を彼に向けて、
「私についていらっしゃい」
(堺比呂志「観音化身」)

というわけで、『観音化身』は札幌の藻岩山三十三観音を巡るお話です。ファンは多く、いろいろな人がホームページを立ち上げているんですね。楽しそう。何か綺麗なページを引用しようとしたんだけど上手く行きません。まあ、そこは頑張らず、次、『蜉蝣』に行きます。

 
▼ 白の点景   引用
  あらや   ..2026/02/23(月) 09:06  No.1274
   青春譜の一葉が、枯れ葉のように舞い散る一瞬であった。悲劇はなにげない表情のままやって来た。しかし、気づかないふたりであった。
 前を走っていた広克の自転車が突然ふらついた。あっと思う間に、崩れるように倒れた。
「どうした? だいじょうぶ?」
 自分の自転車を放りだすようにして駆け寄った冴子に、
「ちょっと、気分がわるい」
 力ない声を残したきり、空を見つめていた。
「しっかりしてよ。怪我はなかったの?」
(春山文雄「白の点景」)

針山さんの単行本作品は全て読んだ上で人間像ライブラリーという仕事は始まったわけですが、この『白の点景』は全然記憶になかったです。今回、これが針山さんの最後の小説作品だと覚悟して作業を始めたこともあってか、なにか初めて『支笏湖』を読み始めた時の痺れるような気持ちが蘇ってきました。このリズム、この言葉、もう読むことはできないんだ…と思うとひどく寂しい。

 華代からの連絡も跡絶えがちになっていた年末近く、冴子は久しぶりに広克を見舞った。
 白一色の風景の中を、冴子の乗った二両編成のジーゼルカーは孤独に見えたにちがいない。客もまばらで、冴子自身ひどく孤独であった。
(同書)

 
▼ 「人間像」第146号 後半   引用
  あらや   ..2026/02/26(木) 16:32  No.1275
  .jpg / 41.0KB

「人間像」第146号(114ページ)作業、終了です。作業時間、「54時間/延べ日数12日間」。収録タイトル数は「2859作品」になりました。

★長く交流のあった雑誌が次々に無くなって行くのは、親しい友を失うような寂しさを感じるものだ。自分達自身年齢を重ねていく空しさに通じる故であろうか。気を奮い立たせて頑張らねばと思う。
★今号はそれぞれ作風の異なる四人の小説と本格的な細川の評論、温かみ溢れる日高のエッセイで組んだ。厚さもこの程度が恰度よいように思う。校正も発送作業も楽である。またこの程度のほうが読んで貰えそうでもある。(中略)
★気分一新の意味で誌名の書体を変えた。全国的な書道団体恩地会理事の小川華壽さんにお願いした。(針山)
(「人間像」第146号/編集後記)

いろいろな意味で、140号台は「人間像」にとっての変わり目だと感じています。



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