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「人間像」第26号デジタル化には「44時間/延べ日数8日間」がかかりました。
ガリ版(孔版)印刷から活版印刷に代わった第23号以降、軒並み40時間以上の時間がかかっているのはどうしてだろうとその度毎に考えてきたのだけど、第26号終了時点の結論では「活版」ということになるのだと思います。つまり、活版の小さな活字びっしりのページになって、文字量が相当に増えているんですね。 しかし、これが効を奏したのでしょう。ガリ版時代だったら遠慮していただろう長篇作にも挑めるようになってレベルの高い作品が増えたように感じます。あるいは、駄作が活字になるとその駄目さ加減が誰の目にもあからさまになりますから、そうした作品・作家が自然に淘汰されて、「人間像」の質のアップにつながって行ったのかもしれません。
対外的にも少しずつ認められ、新聞の同人誌評などに誌名が載るようになるとともに固定的に長続きする人達が参加して来るようになった。 翌二十八年には福島昭午・秋庭武之・内田保夫・今出力弥・佐々木徳次などが参加、この年の第二十四号から旭川刑務所での印刷が始まった。印刷費がぐんと軽減され、二倍負担の三人も同額になった。発行回数と頁が増え、同人達の意欲をさらに高めることになった。 (針山和美「『人間像』の五十年」)
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