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八木 なるほどね。で、針田君はおくさんとはいつ知り合ったの? 針田 ゴミ・ステーションから、一升ビンひろってるリヤカー時代。 八木 ウーン、それはよかったねえ。 針田 どん底のときです。 八木 実生活の一番苦しいとき、めぐり会えたのはいいことだなあ。はみだした人生、それが文学の美くしさにつながるものねえ。 (針田和明「八木義徳先生を迎えて 積丹遊覧記」)
ついに「同通」に手を出してしまった。これが吉と出るか凶と出るか、しばらく様子を見てみたい。いつもの「人間像」とは相当異なります。でも、出した以上は多くの人に読んでもらいたいとも思っています。感想をお聞かせください。生きている時の、小説をばりばり書いていた頃の針田さんの声が聞こえて来て私は泣きそうになった。この『遊覧記』に登場する人たち、もう誰もいないんだもんなあ。
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