| | 
毎年一冊ぐらいの作品は書けるだろうと思っていたが、甘い考えであった。健康と精神の充実がなければ一日一枚平均の執筆さえも無理なことがわかった。 この集に入れた作品は、題名にした「白の点景」を除いて平成四年秋から五年春にかけて書いたものである。かなりのハイペースであった。ところが五年の春に慢性肝炎が再発すると、とたんに書けなくなってしまった。書けないほど休力が衰えてしまったわけではなかった。無理をして悪化させては元も子もなくなるという懼れから差し控えたと言ったほうが良いかも知れない。 (針山和美「白の点景」/あとがき)
『白の点景』を進行中です。針山さんの気力、体力が落ちているので昔のような大胆な改稿は行われていないことはわかっているのですが、万全を期して原文の一字一句から起こしています。「人間像」で作ったファイルをポンとコピーして一丁上がり!というような仕事はしていません。
治すことが第一、治れば書ける――そんな思いから控えたつもりだった。ところが闘病生活が長びくと、体力も気力も時間に比例して衰えて行くことを知らされた。そしてとうとう丸々空白の三年が過ぎた。まだ完全とは言えないが幾らか力が戻ってきた感じがあったので、書きかけのままになっていた「白の点景」を三年ぶりに書き上げた。 (同書)
倶知安中学五年時の処女作『三年間』から最後の小説『白の点景』まで、ついにここに辿り着いたという想いでいっぱいです。
|