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No.762 への▼返信フォームです。


▼ ヘカッチ 第20号   引用
  あらや   ..2025/07/28(月) 18:04  No.762
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七月のある日、ルーチンのパソコン仕事を休んで日本児童文学学会北海道支部の機関誌「ヘカッチ」第20号を一日読み耽っていました。第20号ということで、『ヘカッチの30年』という巻頭言が載っています。全文引用させてください。

「へカッチ」の創刊号は、1994年5月に出された。創刊の言葉を、鈴木喜三夫、比良信治、佐藤将寛、谷暎子、柴村紀代が書いた。「へカッチ」創刊のきっかけは、西田良子先生だった。日本児童文学学会で、当時、国内留学中(佐藤は兵庫教育大学大学院、柴村は日本女子大学大学院)だった2人と谷暎子が話し合い、北海道子どもの文化研究同人誌が誕生した。「へカッチ」というタイトルは、鈴木喜三夫が、アイヌ語の「子ども」という意味から付けた。創刊から9号(2005.4)までは、北海道子どもの文化研究同人誌として出していたが、2006年に改めて日本児童文学学会北海道支部を立ちあげ、「へカッチ」通巻10号から、支部の機関誌として創刊号とした。
 現在、会員・会友を含め16名が在籍している。それぞれ自分の研究テーマを持ち、活発に研究を進めている。
「ヘカッチ」も今回、支部機関誌として20号、通巻で29号を数える。
 思えば、30年にわたる歳月、2度も北海道で学会を引き受け、少ない人員でよく頑張ってきたと思う。
 支部も今、代表も事務局も若い人に代わり、てきぱきと例会の運営も機関誌の発行も続けてくれている。
 創刊の頃のメンバーは、今、揃って年をとった。これから若い人たちが、それぞれに児童文学研究を深め、「へカッチ」というこの年1回のささやかな冊子を充実した発表の場として続けてくれることを心から願っている。
(柴村紀代「ヘカッチの30年」)


 
▼ 教育紙芝居   引用
  あらや   ..2025/07/28(月) 18:07  No.763
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谷暎子さんの二論文、『北海道教育紙芝居研究会』と『座談会「教育紙芝居を語る」』の配置には唸ってしまいました。北海道の教師たちが立ち上げた紙芝居制作や僻地校への慰問紙芝居実演などの教育実践が、1940〜41年の「生活綴方事件」「生活図画事件」の弾圧によってつぶされ、その後の日本社会に「少国民文化協会」のようなものが蔓延って行くことを『座談会――』は露骨に教えてくれます。翼賛会道支部員や札幌署特高係が混じった座談会の異様さを確かめる意味からも1941年6月の「北海タイムス」記事を私も自分の目で読まなきゃなと思いました。今はそれができる時代なのだから。

 
▼ 松村武雄   引用
  あらや   ..2025/07/28(月) 18:10  No.764
  平倫子さんの『夢十夜 ― ルイス・キャロルと南方熊楠の幻想魔景』は、この二人に何の関心もないままこの年まで生きてしまった人間には難しくて歯が立たなかった。『松村武雄』にも同じく無知な自分ではあるのですが、前号から続く高橋晶子さんのアイヌ児童文学研究には興味があって頑張って跡について行こうと思います。

 
▼ 坂本直行   引用
  あらや   ..2025/07/28(月) 18:12  No.765
  八木 坂本直行ね、「スズランの咲くところは不毛地帯だ」とおしえてくれたよ。スズランの話が出るたびに坂本のあのことば、思い出すねえ。
針田 千秋庵の包装紙、坂本さんの描いたもので、私、ときどき集めてはたのしんでます。
八木 あゝ、千秋庵のはそうだね。
武井 あの人の娘さんの旦那さんも山ばかり歩いているそうですよ。
(針田和明「八木義徳先生を迎えて 積丹遊覧記」)

最近の人間像ライブラリーの仕事で「千秋庵の坂本直行の包装紙」という発言があって、これは六花亭の勘違いなのでは…と気になっていたのです。が、久保田知惠子さん、福島令佳さんの二論文を読んで納得です。これに、NHK「日曜美術館」で撮った「坂本直行」を加えれば鉄壁だ。(まだビデオ消してない…たぶん)

 
▼ 子どもと文学   引用
  あらや   ..2025/07/28(月) 18:15  No.766
  あと、安藤理恵子さんの『子どもと文学』の解析はとても勉強になりました。私は昔からジョン・ロウ・タウンゼンドやトールキンのファン・クラブなので当時の瀬田貞二さんたちの立ち位置がわかってとても嬉しい。早速、道立図書館から2024年9月発行の増補新版を取り寄せて今読んでいるところです。
学校図書館勤務時代には必読書であり、あれほど一世を風靡した本が今の図書館にはないと知った時はショックでしたね。書庫にはあるだろうと思っていたら、書庫にもない。なぜ2024年9月の今にこの本が再発されたのか、私にはその理由がわかるようで実はよくわからない。いや、わかる気がする。今の世に必要だから『子どもと文学』は呼び戻されたのだと信じたい。



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