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文明は滅びゆく宿命なのか――。 アイヌの長老・イヌリカの拒絶にバードの信念が揺らぐ。 文化の記録は、遺されるべきではないのか? (帯より)
いやー、第13巻、良かった! 私たちの知ってるイヌリカってこんなんですよ。
自分たちは失礼するので、あとはひとりで食事をして休んでくださいと首長の母親以外は全員その場を退きました。この八〇歳になるいっぷう変わった魔女のような老女は、黄色みを帯びたもじゃもじゃの白髪をしており、しわだらけの顔には頑としてこちらを疑っているところがあります。わたしは悪魔の目に見つめられているような気になりました。 (中略) 歳が歳だからといって、のろのろしたり休憩をとったりするようなところはありません。酒を見ると、その目は貪欲に輝きます。茶碗に入れた酒をこの老女はひと息で飲み干してしまうのです。 (イザベラ・バードの日本紀行/時岡敬子訳)
これを、ここまでの人間像に膨らませてしまう。さらに、これがバードと絡む。凄い構想力だ! 約十巻分もかかった、平取までの長い長い旅路を耐えて来てよかった。
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