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No.346 への▼返信フォームです。


▼ イーハトーブ探偵   引用
  あらや   ..2015/10/15(木) 07:14  No.346
  「それにしたって、北いうのはどういうことだ?」
「北は北でも、うんと遠くだ。樺太に行こうと思う」
 (中略)
「で、樺太でトシさんと交信するのか」
「ああ」
「そこに、トシさんがいるのか」
「分からねえから確かめに行く。直感でしかねえじゃ。本当は、そったらところに行かねくても、トシを感じられればいいんだけどな」
「うちに幽霊が出たんじゃねがったのか」
「生徒から聞いたのか?」
 カトジはうなずいた。
「あれは妄想かも知れねえ。実際に出てきてくれたら、交信など考えたりしねえ。俺はトシの魂の行方が知りたいのす。宇宙に溶け込んだ魂は、転生して娑婆に戻りくるはず……俺たちはどこか他に浄土があるとは信じてはいねえ。だから成仏というか仏界、天上よりももっとええところにいれば、むしろ交信などできねえはずなんだ。だども俺はいないはずのトシと話がしてえ。矛盾だらけだ」
(鏑木蓮「イーハトーブ探偵」/「赤い焔がどうどう」)

「賢治の推理手帳」シリーズ、第二作。ラストの短編が「赤い焔がどうどう」なんだけど、このシリーズ、すべての短編に日付が入っている。で、「赤い焔がどうどう」事件の日付は「大正十二(一九二三)年七月二十二日 日曜日」。樺太行の一週間前ですね。




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