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No.657 への▼返信フォームです。


▼ サーベル警視庁   引用
  あらや   ..2023/03/05(日) 16:40  No.657
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「へえ、黒猫先生、そんなことを……」
「はい」
「それから……?」
「私の江戸言葉を聞かれて、面白がってくださいまして……。新作の小説に使おうと……」
 鳥居部長の眼が輝いた。
「新作の小説に? おめえさんを、かい?」
「いや、どうやら私と話をなさっていて、気っ風のいい江戸っ子を主人公にすることを思いつかれたようでやす」
「江戸っ子が主人公……」
「それが、愛媛の松山かどこかで教師をやるんだそうで……」
「へえ、そいつは楽しみだねえ」
 そこに、葦名警部と藤田がやってきた。
(今野敏「サーベル警視庁」)

こちらの明治警察も、いたる所に小技が詰め込まれていて楽しく読めました。最後に、関川夏央・谷口ジロー『「坊っちゃん」の時代』への謝辞があって、なるほどと思った。

今、平行して、国立国会のデジタル・コレクションの松崎天民を読み進めているのだけど、日増しに天民を人間像ライブラリーで扱いたい気持が高まっています。


 
▼ 帝都騒乱   引用
  あらや   ..2023/03/06(月) 17:36  No.658
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 岡崎は尋ねた。「しかし、奉天を占領し、五月二十八日には、日本海で艦隊が勝利しました。日本中が戦勝に浮かれているのですが……」
「今はよくても、このまま戦を続ければ、わが国はたいへんなことになります。庶民は重税にあえぎ、日本は疲弊している。奉天、日本海の勝利はつかの間の夢です。もう、日本は持ちません」
 岡崎と岩井は再び顔を見合わせた。
 岡崎がさらに何か言おうとしたとき、背後から明るい声が聞こえた。
「庶務のおじいさん、さようなら」
 岡崎と岩井は振り向いた。声の主は、城戸子爵の令嬢、喜子だった。
 喜子が目を丸くする。
「あら、岡崎さんに岩井さん。庶務のおじいさんを捕まえに来たの?」
 岩井が言った。
「冗談じゃありません。ちょっとご挨拶に寄っただけです」
 喜子はさらに近寄ってきて言った。
「何か事件があったら、また手伝わせてくださいね」
(今野敏「帝都騒乱」)

お約束のいつものメンバーが集まって、さあ、「サーベル警視庁」劇場の始まり、始まり。楽しい休暇だった。さあ、明日から「人間像」第107号作業、再開だ。これが終わる頃には、雪融けているかもしれない。



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