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▼ 知里幸恵 アイヌ神謡集   引用
  あらや   ..2023/09/16(土) 16:41  No.675
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この読みやすさは一体どうしたことだろう。

たしかに、1978年発行の岩波文庫版に中川裕さんの「補訂にあたって」と「解説」が加わっただけの造りであって、大きな改変があったわけではないのだが。でも、愕然とちがう。『アイヌ神謡集』がこんなに楽しい本だとは思ってもみなかった。

ホテナオ
ある日に退屈なので浜辺へ出て,
遊んでいたら一人の小男が
来ていたから,川下へ下ると私も川下へ

下り,川上へ来ると私も川上へ行き道をさえぎった.
(「アイヌ神謡集」1978年第1刷)

ホテナオ
ある日に退屈なので浜辺へ出て,
遊んでいたら一人の小男が
来ていたから,川下へ下ると
私も川下へ下り,
川上へ来ると私も川上へ行き道をさえぎった.
(「知里幸恵 アイヌ神謡集」2023年補訂版)

ね、歴然とちがうでしょう。


 
▼ 「アイヌ神謡集」これからの100年   引用
  あらや   ..2023/09/19(火) 18:33  No.676
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https://www.ginnoshizuku.com/

補訂版の表紙にも、そしてこの知里森舎の2023フォーラムのチラシにも使われている図柄、これは金成マツの作った織物からとった図柄だったんですね。市民会館ホール入口に実物が展示されていました。

登別とか室蘭とか、小樽から行くのけっこう難しい場所なんですね。後志〜胆振の急峻な山々の間を縫ってじぐざく行かなければならない。高速使えばいいじゃないか…という声もあるが、狂ったようなスピードを出す札幌〜苫小牧間を走る勇気がない。(一時間半で小樽にも室蘭にも行けた京極が懐かしい…)
二日がかりの日程なのでビジネスホテルを探したんだけど、登別ってビジネスホテルがないのね。さすがは日本三大名泉というか豪華ホテルばっかり。(そりゃそうか。登別へ来てビジネスホテルに泊まる奴はないわな) で、隣の室蘭になったのでした。

その日のうちにニュース報道されたみたい。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230917/7000060966.html

 
▼ ホテナオ   引用
  あらや   ..2023/09/19(火) 18:37  No.677
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午前中にユカラ口演があって、ウポポ・リムセ公演(←これ、とても良かった、感動した)があってからの、午後の中川裕さんの講演というのが絶妙の組立でした。私が嬉しかったのは、講演中、三分の一くらいの長い時間を使って「ホテナオ」の構造分析をしてくれたことです。昔から、よく意味はとれないけれど、でも変に気になる話だったのを、本の左側のアイヌ語表記から解析してくれたのは有難かった。

フォーラム全体から、『神謡集』本文のアイヌ語や日本語を楽しむ熱気が伝わって来る。知里幸恵の「序文」の美しさに酔いしれてなかなかその先へ踏み出そうとしない人間たち(私もそうかもしれない…)をついに「本文」の世界へ引っ張りだす人たちなのか…と感じました。

 
▼ カムイのうた   引用
  あらや   ..2023/09/19(火) 18:41  No.678
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https://www.city.noboribetsu.lg.jp/article/2023061500065/

二日目は『カムイのうた』。たぶん、前日よりは人が集まるだろう(駐車場が心配)と思って一時間前に市民会館に入りました。というのは表向きの理由で、彫刻写真を撮る旅ではない…となると、私は何の欲求もない人間だということがよくわかりました。午前中の時間つぶすのが大変だった。(今、デジカメ、使えないんです)

映画は知里幸恵の生涯を丁寧に描いていて、必要なエピソードはほぼ完璧に盛り込んでありました。今後、知里幸恵の「入門書」的な存在になってゆくのではないか。

開演冒頭の監督挨拶で、「アイヌを描いた映画には出たくない」という役者が大半で、役者選びに苦労したというエピソードが語られたが、本当に今の役者って馬鹿だなあ。知里幸恵や金成マツや金田一京助を演じられる一生に一度のチャンスを目の前で取りこぼしたことに気づかない。

 
▼ アフンルパル   引用
  あらや   ..2023/09/19(火) 18:45  No.679
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フォーラムで渡された資料の中に『のぼりべつアイヌ文化紀行』というパンフレットがあって、これのおかげで長年の疑問が解けました。

横山むつみさん(知里幸恵の姪、前記念館館長)の写真で、犬の散歩で「アフンルパル(あの世の入口)」の前で撮った一枚があります。当時、違星北斗の『郷土の伝説 死んでからの魂の生活』の影響もあって、私もこの「アフンルパル」を見てみたいと思ったのでした。登別在住のある人が教えてくれたのは登別漁港近くの「アフンルパル」でした。犬の散歩にこんな長い距離を歩くのかな?とは思いながらも、漁港付近やアヨロ海岸をうろうろ探しまわりました。でも、よくわからなかった。
今回、『のぼりべつアイヌ文化紀行』で「アフンルパル」の場所を見ると、それはなんと知里幸恵の眠る富浦墓地近くにあったのでした。なるほど、この距離なら犬の散歩も可能だ。ここが知里幸恵や金成マツにもつながる「あの世の入口」だったのか。

これ、いいなあ。登別市郷土資料館、いい仕事してますね。午前中、これやればよかったんだ。

 
▼ 朗読ひろば   引用
  あらや   ..2023/10/23(月) 18:24  No.680
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https://www.nhk.or.jp/hokkaido/articles/slug-n181541140bae

9月17日、白老町のウポポイで、NHK室蘭とアイヌ民族文化財団が主催する『朗読ひろば〜アイヌと神々の物語〜』が開かれることは知っていたのですが、この日は京極町で大事な用事があるので行けなかったのです。

惜しいことしたな…と思っていたら、昨日、NHK-FMで流してくれました。道央圏だけの放送だったみたい。で、今日「聞きのがし」を見たら、おー!ちゃんと入っている。今週は、『ウィークエンド・サンシャイン』がロビー・ロバートソン追悼特集だし、嬉しいことが塊になってやって来た感じです。

『ホテナオ』、素晴らしい!



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