| 院長 ..2009/10/21(水) 08:57 No.24 |
 | 分娩は激しい労働で、母体は脈拍や呼吸が速くなり、体温や血圧は上昇し出血(500ｇまで正常）する。
大きな筋肉労作であるため、発汗が激しく血液成分の濃縮や尿量の減少、体重減少が起こる。
分娩室では、助産師、看護師さんがつきっきりで、ぐい飲み等で水やお茶など力水を飲んでもらっています。
又、分娩前はほとんど全例エラスタ針で点滴をとっています。
出血や母体や胎児の状態の変化にも対応がすぐに出来るようしています。
お産に対する保険みたいなもので、ほとんどがサービスです。
手は自由に動かせるのでお産に支障はありません。
お産の時の出血は1000mLから2000mLでは輸血やフィブリノーゲンを使つたことはありません。
処置が早いので点滴で助かっています。
30年間で輸血は子宮外妊娠を含め4〜5例です。
フィブリノーゲンは使っていません。
水分や食事をとらず睡眠不足になると、疲労が大きくなり腹圧、陣痛が弱くなり分娩進行に悪影響を及ぼします。
時には陣痛時に悪心や嘔吐がおこり、興奮や不眠などの精神症状をおこします。
点滴は原則として5%のブドウ糖を使っています。糖尿病のある人にはキシリットを使っています。
分娩方法は自然分娩法(リード法)妊婦さんは分娩に対して不安を持っておられるため子宮筋の緊張をまねき、苦痛となり、不安→緊張→痛みとなり悪循環となり、さらに苦痛を増強する。
分娩準備教育で精神的不安を除去すると共に、運動療法を取り入れ身体の弛緩法を教育することで、悪循環の連鎖を取り除くことができるとするものである。
精神予防性無痛分娩法 ・・・ 旧ソ連のベルボフスキーらによって考案された条件反射の理論を取り入れた無痛分娩法である。産婦は陣痛は痛いものという先入観があるため、陣痛がおこると反射的に苦痛を討える。
この子宮と大脳皮質との間に存在する陣痛→苦痛という条件反射を、分娩前の準備教育や腹式呼吸法、マッサ―ジや圧迫などのいわゆる分娩時の補助動作によってたち切り、無痛分娩をはかる方法である。
ラマーズ法 ・・・ 1951年、旧ソ連における精神予防性無痛分娩を見学したフランス人の産科医ラマーズが、帰国後、独自に改変した分娩準備教育のひとつである。呼吸法と弛緩法を反復訓練することにより、そのテク二ックを条件反射的に身体で覚えることで痛みを和らげ、(自分でお産をする）方法である。
産婦に正しい知識を習得してもらい、不安をなくし、痛みの少ない分娩をして頂くのが目的である。
当院では、自然分娩法や、精神予防性無痛分娩法や、ラマーズ法をとりいれ、ご主人をはじめ、希望により子供さん・お母さん・お婆さんの、家族的なお産をして頂いています。
助産師、看護師さんをはじめ、沢山の応援団のもとで安心してお産をして頂いています。
もちろん、立会い分娩を希望されない場合もあります。
現在、日本をはじめ、世界各国でラマーズ法でのお産がなされています。
平成元年より平成16年まで福岡産科学院で異常妊娠の講師をしていました。
時代の流れで平成16年で閉院となりました。平成19年より近くの看護学校で産科、婦人科の講師をしています。
不思議なことに講義にいっているあいだ、お産や手術が無いのには驚いていると同時に感謝しています。
これからも何も無いことを願っています。お産を扱う産婦人科医にとって、とにかく、じっと待つことが必要です。
趣味に錦鯉を飼って、錦鯉より悠久ののんびりとした、エネルギーをもらっています。
錦鯉の品評会や会合の時に急にお産になったり、胎盤早期剥離の妊婦さんが急に入院され帰らねばならず、緊急帝王切開をしたり、出血で流産、早産で入院となり途中で帰らねばならなかったりと、沢山ありました。
福岡分会の品評会で帝王切開をしている途中で全体総合優勝をしたと電話があり、手術後に喜んで行くともう一度審査をやりなおし2番になったこともありました。
参考文献−−医学書院−−新看護学による。
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