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調べてみたら2019年以来、毎年必ずこの時季に八千穂高原に出かけているのだから、今年で5年目となる。なぜかと言われたら、まずはコゴミの収穫に、ということになるけれども、ただコゴミを摘みたいだけなら車で行けるような場所を他にも知っている。ちょうど八千穂高原がもっとも新緑の美しい季節に、山歩きをからめて楽しめなければ、こうも毎年のようには出かけないだろう。
階段上り&車道歩きだった笠置山の疲れが足にまだ残っているというおとみ山とふたりなので、今年は歩行時間が少ないルートを使うことにした。八千穂高原に至る車窓からの新緑は、なんとも美しいグラデーションである。
ここ数年、伐採作業がこの界隈でも盛んで、無残に土の色を見せていた山肌も、かなり緑を回復していた。その伐採地に通じる作業道を登っていくと、植えられた落葉松も丈はまだ低いから、展望は抜群である。
このルートにも途中でワラビ畑があるのを知ってはいたが、別に期待はしていなかった。4月の金ヶ岳山麓でワラビ収穫欲は満足していたし、コゴミ畑から下る途中にもワラビがあるのを知っていたから、摘みごろのがあれば摘むくらいの気持ちでいた。登る途中で収穫すると、それを担いで登る羽目になる。
ところが目の前に現れたのは、めったに見ることのない国宝級のワラビの林で、しかも今しも摘みごろときていた。今年はワラビの当たり年かもしれない。こんなに太くて長いのは、もうワラビーとは言えない、カンガルーである。さすがにこれは看過できない。せっせと収穫に励んだ結果、えらく肩の荷が重くなってしまい、このルートの最後に現れる丈なす笹薮を分けての登りは、身軽ならご愛敬にすぎないが、少々苦しい登りになった。
そしてたどり着いたコゴミ畑、今年の季節の移ろいの早さでは少々遅いかもしれないと思っていたのは、たしかにその通りではあったが、まだまだふたりで収穫するには充分以上の摘みごろのが残っていた。収穫したワラビとコゴミを家に帰って量ってみたら合わせて5キロもあったのだから、こりゃザックが重かったわけである。
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