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三月下旬より「人間像」第120号作業に入っています。丸本明子『夜叉』、内田保夫『選ばれた男』、針山和美『再会』と順調に来て、今、朽木寒三『凸凹三人衆』をやっているところです。前半とは言いながら、この『凸凹――』を仕上げると、もう作業のページは20ページ余りですから、もう後半と言ってもいいのかもしれない。なにか怖いぐらい順調です。
京都の上醍醐にある、准胝堂という観音堂は、上醍醐寺にあり、麓の下醍醐から急な山道を四キロ登った所にある。 准胝堂には、准胝観世音菩薩が祀ってあり、西国三十三ヵ所の巡礼札所のうちの第十一番だ。 徳大寺宗利は、山道を登りはじめた。案内書によれば、ここは西国巡礼の寺では、第三十二番の観音正寺とともに難所のひとつであるという。 徳大寺は、開伽井と呼ばれる湧き水の所で足を止めて、汗をぬぐった。 (内田保夫「選ばれた男」)
へえー。いつもの京成電鉄界隈から始まる物語が内田保夫氏だと思っていたから、今回の『選ばれた男』の京都にはびっくりしました。こんな技もあるのね。
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