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▼ 抵抗都市   引用
  あらや   ..2023/01/28(土) 14:54  No.655
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「身寄りもわからない店子が死んじゃった場合、あたしはどうしたらいいんだ? 荷物を片づけてしまっていいのかい?」
 多和田が言った。
「警察から連絡が来るまでは、このままにしておいてくれないかな」
 新堂は、卓袱台の下からまとめられた新聞紙を引き出した。
 東京日日新聞、中央新聞、東京朝日新聞があり、時事新報、都新聞、読売新聞もあった。さらに国民新聞、萬朝報、やまと新聞……。
 この一週間ばかりのものだ。
(佐々木譲「抵抗都市」)

日露戦争終結から十一年、ロシア統治下の東京…という設定は、ちょうど松崎天民を調べていた時だったので、なんともタイムリーでした。大津事件や日比谷暴動をこんな風に使うのか…という面白さもあった。このシリーズ、楽しめそう。

 
▼ 偽装同盟   引用
  あらや   ..2023/02/17(金) 17:43  No.656
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 新堂は駅前で市電を降りると、広場の新聞売店へ歩いて、目につく夕刊をさっと五紙買った。とくに選ぶことなく、ペトログラードの騒擾を見出しにしている新聞だけをだ。
 売店の脇で、ざっと目を通した。
 帝都実報新聞の見出しはこうだ。
「露都、軍発砲 死者百名超か」
「一部連隊、反乱」
 東都日日新聞はこうだった。
「露都市民、軍と衝突、死者数百」
「反乱露軍、出動拒否」
 あとの三紙も、見出しは似たようなものだった。
(佐々木譲「偽装同盟」)

うーん、今度はロシア革命か! 芸が細かいな。今回は「二月革命」の時期だったから、次の事件は十月か。ロシア帝国消滅だから、これで終わりか。

今、松崎天民の本を国立国会図書館のデジタル・コレクションで少しずつ読んでいるんだけど、デジタルって読みにくいね。(少し反省…) 年寄りは紙に印刷して読んでます(笑)



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